岡山県里庄町を中心に日本各地に店舗を持つマスターウォールが、その各土地に根差した工芸技術と自社の木材加工技術を掛け合わせたインテリアアクセサリーを開発するプロジェクトを立ち上げました。
このプロジェクトは日本のローカルな景色の中にある工房や職人、そしてその技術を用いて、インテリアの中に工芸が感じられる景色を作り、日本の工芸の活性化に寄与する事を目的としています。
第一弾の商品として、京焼・清水焼の工房、陶謙窯とコラボレーションを行いました。手仕事のろくろによる陶器と、マスターウォールの工場から出た木材や革の端材を組み合わせてフラワーベースとフルーツボウルのコレクションが誕生しました。
CRAFT SCAPE BY MASTERWAL
STICK(スティック)は、細い筒状の陶器とウォールナットの角材を組み合わせた一輪挿しです。マスターウォールの家具を制作する際に出る端材をT字に組み合わせて、接合部に穴をあける事で陶器の筒を保持できる構造になっています。陶器は高い精度の手仕事のろくろで製造されており、丁寧に加工された穴にわずかなクリアランスで収まります。
高さは2種類用意されており、異なる高さのものを並べて同じ花に高さの違いを出す事もできます。異素材の組み合わせが映える一輪挿しです。
GRIP(グリップ)は、ろくろによって手で成形された陶器のベースを一部かきべらと呼ばれる道具で削り取り、その部分に革を巻き付けて手縫いステッチにより仕上げたフラワーベースです。革は家具のシートを製造する際に出る端材を使用しており、革を巻いた際の合わせ目は丁寧に手縫いされています。手仕事でありながら高い精度で仕上げられており、陶器と革の2つの素材の組み合わせを美しく見せています。
形状は、背が高く細長いものと、背が低く直径の大きいものの2種類があり、飾る花または花束の種類に応じてそれぞれ使いやすい直径と高さを用意しています。
FLOAT(フロート)は、ろくろによって手で成形された丸みを帯びた大径の陶器皿と、ウォールナットの端材を3つのパーツに加工してつなぎ合わせたベースを組み合わせたフルーツボウルです。陶器だけだと曲面で不安定な形状を底側から木材が3点で支える事で安定させ、かつ高さを出しています。異素材の組み合わせと高さのあるボリュームはダイニングテーブルやサイドボード等に置いた際にインテリアシーンを彩る強いアクセントとなります。これには陶器でありながら、薄くかつ大きな直径で形状をつくる事のできる、陶謙窯の高い技術が使われています。ウォールナットの3つのパーツは、中央でスムーズに繋ぎ合わされておりここにはマスターウォールの技術が使われています。それぞれの素材の適性を無駄なく活かしたフルーツボウルです。
PRODUCTION : 陶謙窯
PROJECT DIRECTION : MASTERWAL
Photos by Akihito Mori