SUMIIRI

iwakagu  2023

SUMIIRI CHAIRは、静岡を拠点とする家具工房iwakaguのためにデザインされた木製ダイニングチェアです。
 
iwakagu
 
 

 

 

 

 

 
 
チェアのディテールには、「隅入り」という要素が取り入れられています。これは、日本に古くから伝わる文様の一つに使用されている形状で、角の部分が内側に入り込んだ特徴的なものです。この形状にならった座面枠や、背もたれの輪郭は日本の伝統美を感じさせるとともに、全体の構成は直線基調でスタンダードなものとし、モダンなインテリアに調和します。また、このチェアにはアームチェアも用意されていますが、全体は全く同じ形状の構成で、アーム部分のみを追加する事でアームチェアができるように考慮されています。アーム部分は前脚が上に伸びて後ろ脚と繋がる肘置きを支える構造で、繊細な接合部分でありながら十分な強度を保っています。
 
 

 

 

 
 
日本では椅子を使用する文化が欧米ほど古くからないため、椅子のデザインも欧米にならったものが多く見受けられてきました。そのような中で、日本オリジナルとしてのアイコンを備えた椅子は、これからの日本の家具産業において重要な要素となると考えています。
 
 

 

 

 
 
背もたれのパーツは無垢材の曲げ加工によりRを付けており、心地よく背中にあたるようにしています。背もたれと、後ろ脚の突き当たる部分も3形状次元的な形状の調整により最適な角度で隙間なく取り付けられています。
 
 

 

 

 
 
座面部分のファブリックの収まりも、適度なふくらみを持たせた上で隙間なく木材フレームに収めています。これには熟練の布張り技術が必要となります。また、座面の底部分にのみ金属ネジを使用していますが、これはファブリックの張り替えメンテナンスの際に簡単に作業が行えるように配慮しています。
 
 

 

 

 

 
そしてこの隅入りの要素を取り入れた壁掛けミラーも用意することで、共通のアイコンを持ったシリーズとして商品を展開しています。

Photos by Yuichi Yamaguchi